矯正歯科の基礎知識
矯正治療が終わってからの注意点
長い時間をかけた矯正治療が、やっと終わってひと安心と考える方も多いかもしれません。しかし、矯正治療が終わってから気をつけたいのは、毎日の歯みがきや歯と歯ぐきのメンテナンスだけではないことをご存知でしょうか? 矯正治療が終了してからも引き続き心がけていただきたいのは、美しい歯列を保つために自分でも簡単なメンテナンスを心がけることと、歯が後戻りしないようにきちんと歯科医師による定期的なメンテナンスを受けることが重要です。
実際に歯を正しい場所に動かす矯正治療期間が終わってからも、保定装置(リテーナー)を装着しながら、矯正した歯を新しい場所に安定させつつ、歯の後戻りを防ぐことを目的とする「保定期間」中のメンテナンスがとても重要です。この保定期間の長さは、矯正歯科医の考え方やもともとの歯の状態などによっても変わります。一般的には、1~3年ほどかかると言われていますが、当院ではなるべく10年間保定が必要と考えています。
また、加齢による骨の状態の変化、歯周病など歯ぐきの健康状態、日頃の癖といったような要素も、知らない間に歯を動かしてしまう可能性があります。時間をかけて行なう矯正歯科治療の後は、見た目の歯並びが美しくなっているということもあり、矯正期間が終わった後は、ついついその後のメンテナンスを軽視しがちになってしまいます。しかし、これからいかに美しい歯列を保っていくかという点において、保定期間はとても大切な期間です。ぜひ日々の歯みがきとともに、美しい歯と歯列のメンテナンスを意識づけていきましょう。